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「こども邦楽教室」 特集NO.1
場所 江戸東京博物館
日時 平成14年3月26日

江戸東京博物館・春の講座の一環として、『三味線でうたおう-清元節の世界-』が小学生から中学生の方を対象に開催されました。第1回目の特集ではこの日の様子をご紹介いたします。

当日会場には、実際に弾いていただくお三味線と、お稽古用に抜粋した浄瑠璃・文化譜入りのテキストを用意しました。
テキストの中にはお三味線の各部の名称なども図と共に判りやすく記載されています。

初めに七世清元延寿太夫さんより、清元の歴史や特徴の説明を行い、「皆さんがどんな顔をして三味線を弾き、楽しんでくれるか今日は楽しみです」とご挨拶。
続いて清元栄志太夫さんより、当日の先生方の紹介の後、「宜しくお願いします」と全員で挨拶をしてお稽古のスタート!
(当日の講師:清元延寿太夫・清元栄志太夫・清元一太夫・清元勝三郎・清元昂洋・清元美十郎・宮内基弥・岡村研佑・清元延秀佳・清元延佳月・清元延綾)

まず、お三味線のお稽古から。
講師の清元勝三郎さん・清元延佳月さんから、お三味線について判りやすい説明がありました。
「お三味線の皮は猫・犬、糸は絹、バチは象牙など生き物を素材にたくさん使っています。」、「胴掛けや指かけはお三味線の共鳴を消さないために必要です。」など、専門的な事も楽しく、しっかりとご説明いただきました。

説明が終わったら次は実際の演奏です。
今回の課題曲は「玉兎(たまうさぎ)」。三人の受講生に1人講師の先生がついてお三味線の練習開始。最初はおっかなびっくりの様子もすぐに慣れ、みんな一生懸命。教える先生方も一緒になって一生懸命お稽古をしました。約30分間のお稽古でテキストの文化譜は一通りひけるようになった様子でした。

お三味線のお稽古の後は浄瑠璃のお稽古です。
清元栄志太夫さんから「玉兎という曲は、良くご存知の昔話“かちかち山”からヒントを得て作られたものです。今日はその歌詞うち“心得狸に フン 土の舟”の部分を練習しましょう。」。続いて歌詞の説明がありました。「歌を歌って聞かせるのではなくて、物語を語って聞かせるように」と技術的なご指導もありました。

まず、舞台にあがった先生がたのお手本演奏を聞いた後、みんなで一緒に歌のお稽古。
みんなで「玉兎」を合唱してお稽古の総仕上げです。
清元栄志太夫さんから「少しでも楽しんでいただけたら嬉しく思います。興味を持っていただけたらぜひお稽古にいらっしゃいね。」とお話の後、全員で「ありがとうございました。」と挨拶を交わし、記念写真を撮影してこども邦楽教室は終了しました。
みなさん目を輝かせお三味線を引いている姿がとても印象的でした。今日の講座から将来の清元名人が出るかもしれませんね。

※清元協会では人数に応じてお伺いする企画もありますので教育関係の方、施設の関係の方、グループの幹事の方、どうぞご相談下さい。